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【REVIEW】The Contino Sessions / death in vegas(1999)

1999年に発売されたdeath in vegas(デスインヴェガス)のセカンドアルバム「The Contino Sessions(コンティーノセッションズ)」をレビューします。

 

 The Contino Sessions / death in vegas(1999) 

The Contino Sessions

The Contino Sessions

 

1990年代後半に訪れたビッグビートブーム。ここ日本では「デジタルロック」または「デジロック」なんて呼ばれていたりもしました。

そのブームのピークともいえる時期に発表された代表的なアルバムは次の3つです。ケミカルブラザーズの「Dig Your Own Hole」とプロディジーの「The Fat of the Land 」が1997年発表。ファットボーイスリムの「You've Come a Long Way, Baby」が1998年発表。

そのころは雨後の筍のごとくビッグビート系のアーティストが現れては消費されていった時期。death in vegasもそんなアーティストの中の一つで、1stアルバム「Dead Elvis」を出した時点ではそのワンオブゼムといった存在でした。

Dead Elvis

Dead Elvis

 

2ndアルバムの「Contino Sessions」が発表された1999年はそんなビッグビートブームが落ち着いて下火になりはじめる直前だったと記憶しています。

私が彼らを注目するようになったのはその年に開催されたフジロックのライブ映像を見てからから。演奏曲は「Contino Sessions」の一曲目「Dirge」でした。

あらためてこの年開催されたフジロックのラインナップを見ると、当時の空気が思い出されます。

THE CHEMICAL BROTHERS、DEATH IN VEGAS、audio active、PROPELLERHEADS、UNDERWORLD、ATARI TEENAGE RIOT、サイケアウツ、DUB SQUAD、BOOM BOOM SATELLITESLES、LES RYTHMES DIGITALES、CAPTAIN FUNK…

当時はこのあたりのアーティストがビッグビートやデジタルロックというごった煮のジャンルに所属させられていました。今思えば節操無くていい加減なカテゴライズだけど個人的には最も熱いジャンルでした。20年近く経った今も当時の曲を聴いてるほど。

そのときに観たdeath in vegasのライブ映像は一言で言って「地味」でした。「Dirge」って曲が曲だし。でも何か心に引っ掛かってた。

しかしその後に発売されたアルバムを店頭でじっくり視聴し、そのダークかつサイケデリックな音に惹かれていくようになります。ほの暗いんだけどカラフル。そんな印象のアルバム。

「Contino Sessions」の収録曲をピックアップ

1. Dirge (Feat. Dot Allison)

アルバム1曲目を飾るダークな曲。

印象的な女性ボーカルは元ONE DOVEのドット・アリソン。ONE DOVEは93年にアンディ・ウェザーオールのプロデュースで裏Screamadelicaともいえる「morning dove white」という名盤を出しますが、いまいち注目されないまま消滅。ドット・アリソンはこのContino Sessionsが発売されたのと同時期にアルバムを出してソロデビュー。そのソロデビューアルバムにもdeath in vegasのリチャード・フィアレスが参加しています。当時二人が交際していたとの話もありました。

それはさておき、シンプルなリズムマシンの音と透明で生気のないドット・アリソンのボーカルから静かに始まるこの曲。後半になるにつれダークなパワーが渦を巻いて上昇していくような盛り上がりをみせます。めっちゃ重くて暗いんだけど、同時にサイケデリックな光を周囲にまとっているような、この時期のdeath in vegasの真骨頂ともいえる音。

このPVのバージョンはアルバムと違っていて荒々しいアレンジ。アルバムバージョンのほうがいい。

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2. Soul Auctioneer (Feat. Bobby Gillespie)

徹底的にヘロヘロフニャフチャして千鳥足で歩いてるかのようなボーカルはPrimal Screamのボビー・ギレスピー。

後半で「ディマーディマーディ~マァ~♪」って歌ってる箇所がよりいっそうヘロヘロで大好きなんですが、今歌詞を確認したらその箇所って「demon」なんですね。いや絶対デーモンなんて歌ってない!

5. Aisha (Feat. Iggy Pop)

イギーポップがボーカルをとるこの曲はアルバムで一番アッパーなギターロック。曲の後半でイギーが昇天してしまいますw

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9. Neptune City

 ラストの曲はダークで重い1曲目と対極にある、明るくてサイケデリックな曲。アルバム内で一番サイケ。ケミカルブラザーズのアルバムも最後のほうはコード感のあるサイケな曲が入ってるじゃないですか?あんな感じ。

なんか気分がいいときに私の頭の中で鳴り始める曲です。魂が持って行かれそうになる。

「The Contino Sessions」の総評

出始めの時期が時期だっただけに、世間ではケミカルブラザーズのフォロワーみたいな扱いをされていましたが、何かのインタビューでリチャード・フィアレスが 「俺はずっとアンディーウェザーオールの尻を追っかけてた」みたいな発言をしていたのを覚えています。

なるほどこのアルバムのダークでダビーな音はSabres of Paradiseとかに近いものがある。このアルバムでゲストボーカルにドット・アリソンを招いたのも必然だったのかもしれません。

当時大学生の私はこのアルバムに惚れ込んで聴きまくっていました。ケンウッドのCDウォークマンにこのアルバムを入れて、ひらすら暗い地下鉄御堂筋線を何度も何度も往復する日々。いや別に暗い生活を送っていたわけではないけど。

これまで聴いてきたアルバムでベスト10を挙げろと言われたならば、順位はつけられないにせよその10枚に確実に入るアルバムです。個人的にはそれぐらい重要。

この次に出た3rdアルバムもこのアルバムの路線と豪華ゲストボーカル体制を引き継いでヒットしました。しかしその次のアルバムからはいろいろあったようで内省的でエレクトリックな路線へと方向転換します。

同時期に出てきたビッグビート系のアーティスト達は大御所を除いてほとんど音沙汰無しになってますが、death in vegasは2016年時点で最新作を出しており未だ現役のアーティストです。この辺りは追々書ければ書こうかと。